2021年2月10日、法務大臣の諮問機関である法制審議会で、「民法・不動産登記法(所有者不明土地関係)の改正等に関する要綱案」が採択、答申されました。
近年深刻化している所有者不明土地問題の対策として、相続登記の義務化等、重要な改正項目が設けられることになりました。
現在の日本において、「所有者が不明」な土地はどれぐらいあるかご存知でしょうか。
2016年度の地籍調査によると、登記記録上の所有者不明土地は全体の2割、面積で言うと九州を上回るとされ、今後ますます増加すると見られています。
土地の所有者が亡くなり、相続登記をしないまま年月が経ってしまうと、誰が現在の所有者なのか把握できなくなり、不動産取引や都市開発に弊害が出てしまいます。また長年所有者が不明なまま放置されることで、荒れ地になったり周辺の地価が下がったりすることもあります。災害が起こると復旧事業にも影響します。
このような問題を解決するため、今回の改正案では相続登記の義務化や、遺産分割の期間制限、土地の国庫返納制度など、いくつかの重要な見直しが行われています。
今後国会に関連法案が提出される予定で、まだ確定はしていませんが、2023年から順次施行が目指されています。